『魂を磨き幸せに生きる-神社さまの参り方-』④

お賽銭
お賽銭は、略式の玉串料に相当します。
もともと神前でお米をまく散米が、貨幣流通と共に散銭へと変わり、それが転じて賽銭と呼ばれるようになりました。
お賽銭とは、その人が費やした命の時間とエネルギーと意識の対価です。
その命の時間に一部を神様に献上するという行為。
🐎- 所作 -
お賽銭の金額は、物質的な量よりも、エネルギー的な質の方が絶対評価になります。金額の多さではなく、そのお金を得るのにどれだけ心を注いだか、どれだけ清らかな仕事をしたか、それだけ時間を費やしたかが重要なのです。
ご縁を期待してお賽銭を五円だけにするといったことは、避けましょう。
お賽銭の金額がいくらであっても、その見返りを期待するならばご利益や期待できなくなります。心が濁り願いが届きにくくなるからです。祈りの効力は、その人の霊格と愛の深さによって決まります。
お賽銭箱にお賽銭を入れる所作においても、適当に投げ入れるのではなく、
お賽銭に敬愛の念を入れてから、心を込めて丁寧に奉納しましょう。
ただし、初詣などで近づけず遠くから投げ入れるしかない場合には、投げる講であっても、心がこもっていれば素晴らしい行為となります。

二拝二拍手一拝
昔はそれぞれの神社で独自の作法がありましたが、
昭和23年の神社祭式行事作法の改定により『二拝二拍手一拝』が一般的な作法となりました。
今でも作法の違う神社はありますが、神様に対する敬意や賛美や感謝の気持ちが込められたものです。
🐎- 所作 -
二拝:すべて二元性への敬意と感謝を示す行為
・大霊と自分自身の自我に対しての敬意と感謝
・陰の世界と陽の世界
・父なる天 母なる大地
二拍手:拍手は神様への敬意を表す行為
左手はあるがままに受容する手・右手は主張する手
拍手は心臓のリズムに合わせて2回、天と地に響かせる気持ちで行います。
拍手の後の両手を合わせる合掌は、
神様と自分(神)、神様の天意と自分の愛を合わせる『カミ(神)合わせの儀式』になります。
ヨガでは、両手を合わせる合掌は「アンジャリムドラ」と称して、右手と左手を合わせることで神と自分の真我との統合を呼び覚ますためのムドラです。
ムドラとは、手指を使い、心身のエネルギーの流れを調節する技法です。
🐎- 最初の鳥居へと戻りましょう -
出たところで振り返り、御本殿に向かって一礼します。
この時、心の中で次のように唱えてみましょう。
「参拝させて頂きまして、ありがとうございます。」
「祈りを聞いていただき、ありがとうございます。」
その後もしばらくは、心静かに清らかに保つことが大切なポイントです。
🐎- 4つの元素が強化されてバランスが取れると覚醒し「空」を感じる -
「空」は全てを包括する役割をもち、すべてが空から発生し、空に収束していきます。
「空」は神様が発する場のエネルギー「神氣」です。
御本殿に近づくとより一層明確に感じられますので、その神社の清らかな空気を感じましょう。
「空」の元素の強化は、人の器を大きくし、神の器と繋がっていきます。

今日まで自分を守り、導いてくれた多くの見えない存在たちの力を感じ、感謝の気持ちを伝えてみてください。
神社の心得とは、神々についての深い理解と知識、そしてそれを日常に活用する能力のことです。
きちんとその本質を知れば、神社はあなたの人生においてとても有益なものとなるでしょう。
森井啓二氏著
神の国 日本の美しい神社
神々と共に歩む最高の人生 より


